平和学研究科
Graduate School of Peace Studies
博士前期課程
広島市立大学は、人類史上最初の被爆地である広島の地に設立された総合大学として、1998年4月に附置研究機関である広島平和研究所を設置し、核兵器の廃絶に向けた学術研究を進めるとともに、世界平和の創造?維持、地域社会の発展に貢献することを目指して、平和に関する学術研究に取り組んでいます。
2019年4月に開設した平和学研究科は、平和学をはじめ国際政治学、国際法学、国際関係論等に関連する専門領域の分析手法を修得し、その上で、現実の諸問題を専門的かつ総合的に分析する能力を有するプロフェッショナルな人材を養成することにより、平和創造および平和維持に貢献することを目的としています。
博士前期課程の概要
●養成する人材像
①国際関係の仕組み、および政治?ガヴァナンスの基本構造と人間の安全保障との関連を洞察できる能力を持ち、同時に、紛争予防と紛争解決に向けた有効な予防措置を考案できる研究者
②平和創造および平和構築に向けた国際公共政策の立案?策定に貢献できる国際公務員、国際NGO?NPOの職員、および公共政策?国際関係の実務に携わる国家公務員?地方公務員
③今日の国際紛争およびグローバル問題などさまざまな事象を鋭くかつ科学的に分析する手法を修得し、市民社会や国際社会に向けて平和創造の視点から発信する力を有するジャーナリストおよびマスメディア専門家
●取得できる学位:修士(平和学)
●修業年限:2年
●入学定員:10名
カリキュラムの特色
博士前期課程開設科目では、核戦争の脅威と悲惨さを学び、その上で、戦争と平和の歴史、およびこれまで人類が構築してきた平和創造の手法を修得することを目指します。これらを系統的に修得するため、開講科目を「研究基礎科目」、「平和の理論」および「グローバル/リージョナル?ガヴァナンス」の3つの科目区分で構成し、それぞれの科目区分をさらに小さな科目群に区分しています。さらに、特殊演習科目では指導教員のもとで、修士論文の構想作成、執筆に必要な学識を身につけます。
研究基礎科目
「分析?接近法」では現代社会の基本的な分析手法を学び、「広島と核」ではヒロシマの歴史と使命に基づき、被爆体験を軸としながら核の脅威を学びます。
科目区分 | 科目区分 | 授業科目の名称 |
研究基礎科目 | 分析?接近法(6科目) | 平和学、グローバル?ガヴァナンス論、現代社会と平和、現代国際法と平和、日本国憲法と平和主義、地方自治と平和 |
広島と核(5科目) | 核と歴史Ⅰ、核と歴史Ⅱ、被爆の記憶、核文化論、グローバル?ヒバクシャ |
平和の理論
国際政治学や国際法学を中心とした平和理論の関連科目から構成され、基本的アプローチとともに、グローバル化時代の諸問題の解決に有効な分析アプローチを学びます。
科目区分 | 科目区分 | 授業科目の名称 |
平和の理論 | 平和と軍縮(5科目) | 軍縮国際法、核軍縮と核軍備管理、国際人道法、科学と平和、軍縮と平和 |
平和の創造(6科目) | 戦争裁判と国際刑事裁判、安全保障論、平和構築と国際社会、グローバル?コミュニケーション論、ジャーナリズム論、平和思想と平和運動 |
グローバル/ リージョナル?ガヴァナンス
アジア、特に東アジア地域研究の関連科目を中心とした科目から構成され、現代アジアの国際関係の構造および政治?ガヴァナンスの基本構造と人間の安全保障との関連を洞察することができる視座と分析能力を養います。
科目区分 | 科目区分 | 授業科目の名称 |
グローバル/ リージョナル? ガヴァナンス |
地域と平和(7科目) | 東南アジアをめぐる国際関係、東南アジアの紛争と協力、韓国?北朝鮮外交と核問題、現代中国の政治と外交、現代ロシアの政治と外交、日本の近現代史、日本の平和?安全保障政策 |
国際機構と平和(5科目) | 国連論、国際組織と国際制度、地域機構と平和?安全保障、予防外交論、国際環境論 |
社会人支援制度
意欲ある社会人の修学をバックアップするために、以下の制度を設けています。
①学費の免除:国?地方自治体?報道機関?国際機関等で働いている人を対象とした入学料?授業料の免除制度があります。(申請により審査を行います。)
②長期履修制度:入学後の申請により「長期履修生」として認められた場合、博士前期課程においては2年分?博士後期課程においては3年分の授業料で、教育課程を延長することができます。
※延長期間の上限:博士前期課程では4年、博士後期課程では6年となります。
詳しくは、担当部署へお問い合わせください。
お問い合わせ先?事務局 </svg >