国際交流?留学 International exchange and study abroad

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派遣留学の体験記 (コスタリカ?国連平和大学)

国際学部 国際学科3年  早井 千春さん

?コスタリカ?国連平和大学
[2019年8月 ‐2019年10月]

● 留学先大学の特徴とアピールポイント
コスタリカ国連平和大学は、平和学に特化しているという点で特徴的であるだけでなく、世界中から意識が高く優秀な学生が集まっていて、本当に刺激的です。時には文化や考え方の違いから学生同士が衝突したりしてしまうこともありますが、そのような経験や授業での活発な学びや意見交換、また授業以外の場での交流などを通して、世界の平和に貢献する人物が育っている場所です。実際に多くの教授や学生が「UPEACE(コスタリカ国連平和大学)のような場所は世界中でどこにもない」と口をそろえて言うくらい、ユニークで素晴らしい大学です。コスタリカ自体の自然豊かさ、穏やかでのんびりした雰囲気とも相まって、キャンパスの雰囲気はとてものびのびとしています。教室を飛び出して外のベンチや芝生の上でグループディスカッションをしたり、キャンパス内に住んでいる犬が授業中に教室に入ってきたり、大学の廊下にハンモックが置いてあったりします。この大学は大学院しかない大学なので、授業のレベルは高く、集まる学生も働いた経験がある人が多いです。その仕事の内容も幅広く、国連職員、NGO、政府関係、弁護士、教師、一般企業などさまざまです。授業は講義形式のものもありますが、基本的に学生自身の自発的な学びを重要視しているので、ディスカッション、ペアワーク、プレゼンテーションが多く、自分の疑問、意見を持つことが求められます。


〈大学校舎〉


〈友人たちと〉


● 留学を振り返って、留学で得たものと今後の目標は何ですか?
私がこの留学で得た一番の宝物は、世界中の素晴らしい人たちとの出会いです。そして彼らの考え方、ふるまい方、他者との関わり方から学ぶことが本当に多くありました。自分の意見を恥ずかしがらず堂々と発言する姿、自由でクリエイティブな発想、他者へのあたたかい思いやり、積極的に他者と関わろうとする姿勢…挙げるときりがないほどです。授業からも平和学に関するさまざまな知識や考え方を学びましたが、それ以上に「人」から学ぶことが多かったと思います。今まで経験したことがないほどの自由さ、積極さ、寛容さに刺激を受けて、彼らの言動で「いいな」と思ったことを手本にして、真似るようになりました。そしてそのおかげで、私も自分の疑問や意見を発言したり、他者と関わったりすることがより自然に、積極的にできるようになったと感じています。今後の目標は、国際学部や今回の短期留学などでの学びを活かせるような国際的な仕事に就くことです。


〈ホストファミリーと〉


〈ハウスメイトたちと〉


● これから留学を希望する後輩へのメッセージ
もしあなたに「留学してみたい」という気持ちが少しでもあれば、考えるよりも先にまず行動してみてください。先輩や友達に話を聞く、エージェントから資料を取り寄せる、インターネットで情報を検索する、大学のプログラムをチェックする、など何でもいいです。悩んでばかりいたら、自分の留学プランは見つからない、固まらないし、いつのまにか留学できないまま大学生活が終わってしまった、ということになりかねません。そして、自分が「行きたい!」と思える留学プランが見つかったら、ぜひ迷わず行ってください。迷う理由がもし金銭的なものであればそれは仕方ないですが、「自分なんかが行って大丈夫だろうか…」とか「英語力に自信がない…」という理由で迷っているのであれば、それは迷う理由にはなりません!必要なのは能力ではなく、「学びたい」「成長したい」という強い気持ちであり、それさえしっかりあれば、留学先で多くのことを吸収できます。さらに、そういう姿勢があれば周りの人からのサポートも自然と得ることができるので、より学び、成長することができます。ぜひ日本を飛び出して留学に行き、自分の固定観念や価値観を大きく揺さぶる体験をしてください。


〈授業風景〉


〈プレゼンの様子〉


● 最後に
私は留学中、一度精神的に追い込まれ、潰れかけたことがありました。コスタリカにきて1か月が経ったころ、平和学基礎コースの最終レポートの締め切りが迫ると同時に、次のジェンダー学の授業がスタートしたころでした。私は初めて英語で書くアカデミックなレポートに苦戦し、さらにより専門的になった授業内容にもついていくことができず、苦しい思いをしていました。にもかかわらず、他の人に相談したりすることをせず、一人で抱え込んでしまっていたのです。ある日、このままでは自分が潰れてしまうと、大学の日本人スタッフの方に自分の抱えていた辛い気持ちを打ち明けました。すると、思っていたよりも自分が追い込まれていたことに気づき、涙がぼろぼろ溢れてきました。そして思い切り話し、泣くことで、気持ちに整理ができてスッキリし、自分が何をするべきかがクリアになりました。それは、「プライドを捨てる」「他の人に頼る」「できないことよりも、できることを考える」ということでした。この日を境に私は気持ちの持ちようが大きく変わり、楽になったのを覚えています。留学に行くと、環境の変化や言語?文化の違い、授業のレベルの高さなどから、私のような経験をする人は少なくないと思います。実際、私には他の学生は英語が上手で賢くて社交的で…とあまりしんどい思いをしていないように見えていましたが、話を聞いてみると、「授業でなかなか発言ができない」「ネイティブの英語が速くて聞き取れない」などそれぞれにしんどい思いをしていました。そんな時、それらを乗り越える、成長の糧にする方法は、とにかくわからないことや思ったことを、何でもすぐに他の人に聞いたり話したりすること、自分の中にとどめておかないことです。私はそれを身をもって実感しました。「ちょっとやりすぎかな?」と思うくらいのほうがいいです。そのほうが自分の抱えているしんどさは楽になるし、多くの人と関わることができるし、最後にはより大きな自分の学び、成長につながります。


〈ホームステイ先のベランダ〉


〈街の市場の様子〉


〈キャンパス内のハンモック〉


〈毎朝バスを待った木の下のバス停〉


〈学生の家でバーベキューパーティをしたとき〉


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